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新潟地方裁判所 昭和32年(ワ)92号 判決

原告 長谷川良一 外一名

被告 津野良雄

主文

被告は原告両名に対し各金参万七千参百五拾四円を支払うべし

原告両名その余の請求を棄却す

訴訟費用はこれを三分しその一は被告の、その二は原告両名の負担とする。

事実

原告両名訴訟代理人は「被告は原告各自に対し金九七、八一七円宛を支払うべし。訴訟費用は被告の負担とす。」との判決を求めその請求原因として、

「一、被告は原告両名の実父である。

二、原告両名の実母長谷川キヨシは昭和一八年七月一七日被告と婚姻しその間に原告長谷川良一が昭和一九年四月二一日に、原告長谷川隆が昭和二一年一〇月二八日に出生したものである。

三、長谷川キヨシは被告とその家族の虐待に堪え兼ねて昭和二九年一月一三日原告両名を伴い実家の長谷川キセ方に身を寄せて被告と別居し、間もなく被告を相手どり新潟地方裁判所に離婚並びに慰藉料、財産分与請求の訴を提起した。同裁判所は昭和三一年三月一日『原告と被告を離婚する。被告は原告に対し金三〇〇、〇〇〇円を支払え。原告その余の請求を棄却する。原被告の子良一、隆の親権者を原告と定める。』との判決を宣告した。被告は右判決に対し控訴を提起したが、昭和三二年三月一一日に至り右判決のとおりに履行することと同日被告は長谷川キヨシに金三〇〇、〇〇〇円を支払い、長谷川キヨシと被告はその子良一、隆両名(本訴の原告)の親権者を長谷川キヨシと定めて協議上の離婚届をなし、長谷川キヨシは右の訴を取下げた。

四、被告は原告両名が昭和二九年一月一三日母長谷川キヨシに伴われて被告の許を去つて以来原告両名を扶養しないため、原告両名は母の妹青木キクミ、同高橋キヨミの両名から左の如く金員を借受けこれによつて生活して来た。

借受年月日   借受金額    借受先

昭和二九年二月 二〇、〇〇〇円 青木キクミ

同年五月    三〇、〇〇〇円 青木キクミ

同年九月    一〇、〇〇〇円 高橋キヨミ

同年一一月   二〇、〇〇〇円 高橋キヨミ

昭和三〇年二月 一〇、〇〇〇円 高橋キヨミ

同年六月    二〇、〇〇〇円 青木キクミ

同年一〇月   二〇、〇〇〇円 青木キクミ

昭和三一年二月 一〇、〇〇〇円 青木キクミ

同年五月    二〇、〇〇〇円 青木キクミ

同年九月    二〇、〇〇〇円 青木キクミ

同年一二月   一〇、〇〇〇円 青木キクミ

昭和三二年一月 二〇、〇〇〇円 青木キクミ

而して昭和二九年二月一日以降の原告両名の生活費の内容は別表のとおりである。

五、被告は被告が長谷川キヨシと離婚し原告両名の親権者を長谷川キヨシと定めた昭和三二年三月一一日までは長谷川キヨシとともに原告両名の親権者であつたのだから、被告は同日まで原告両名を監護養育する義務を負うていたものである。被告が昭和二九年一月一三日以降原告両名を扶養しなかつたのは右の監護養育の義務を履行しなかつたものである。被告の右義務不履行のため原告両名が前記の如く生活費を借受けて生活して来たのであるから、このため被告は、原告両名を扶養しておれば支出したであろうところの原告両名の生活費の支払を免れ、原告両名の右債務負担によりこれに相応する利得をしているものである。而して被告は原告両名の親権者として原告両名を扶養する義務を免れることはできないのであるから被告の右利得は法律上の原因を欠くものである。被告は長谷川キヨシとともに原告両名の親権者として原告両名を扶養すべく原告両名の生活費の内二分の一は被告においてこれを負担すべきところ、昭和二九年二月一日以降昭和三二年三月三一日までに原告両名の要した生活費は別表のとおり一人当り金一九五、六三四円である。よつて、原告両名は被告に対し原告各自に前記生活費の二分の一に相当する金九七、八一七円を支払うべきことを求める。」

旨陳述し、立証として、甲第一乃至第七号証を提出し、証人青木キクミ、同高橋キヨミ、同長谷川キセの各証言及び原告両名の法定代理人長谷川キヨシ本人尋問の結果を援用した。

被告訴訟代理人は「原告両名の請求を棄却する。訴訟費用は原告両名の負担とする。」との判決を求め、答弁として、「原告の請求原因中一、二、三の各事実は被告とその家族が長谷川キヨシを虐待したとの点を除きこれを認める。四の事実中原告両名が昭和二九年一月一三日以降青木キクミ、高橋キヨミから原告両名主張の如く金員を借受けこれによつて生活して来たとの点はこれを否認する。原告両名は右の期間親権者である実母長谷川キヨシから養育せられて来たものである。原告両名の要した生活費の金額についての原告両名の主張はこれを争う。」旨陳述し、立証として、証人白井幸一の証言及び被告本人尋問の結果を援用し、甲第一乃至第七号証の成立を認めた。

理由

被告が原告両名の実父であること、原告両名の実母長谷川キヨシと被告は昭和一八年七月一七日婚姻しその間に原告長谷川良一が昭和一九年四月二一日に、原告長谷川隆が昭和二一年一〇月二八日に出生したものであること、長谷川キヨシは昭和二九年一月一三日原告両名を伴つて実家の長谷川キセ方に身を寄せて被告と別居し間もなく被告を相手どり新潟地方裁判所に離婚並びに慰藉料、財産分与請求の訴を提起し同裁判所は昭和三一年三月一日原告等主張の如き判決を宣告しその後その主張の如き経過をたどつて昭和三二年三月一一日長谷川キヨシと被告は原告両名の親権者を長谷川キヨシと定めて協議上の離婚をしたこと、以上の各事実は当事者間に争がない。これらの事実に徴すれば、被告は昭和三二年三月一一日まで長谷川キヨシとともに原告両名の親権者であつたものであり、従つて同日まで原告両名を監護養育する義務を負つていたものである。尤も原告両名は昭和二九年一月一三日以来母長谷川キヨシとともに母の実家にあつて被告とは別居しており、しかも長谷川キヨシと被告との間には離婚の訴訟が係属していたのであるから被告が原告両名を監護養育するといつても夫婦とその子が同居している場合と異なり被告としては原告両名の監護養育に要する経費を負担することによつて親権者としての義務を履行する外なきものと思料される。ところで、原告両名が母長谷川キヨシに伴われて母の実家に身を寄せた昭和二九年一月一三日以来被告が原告両名の生活費を支給していないことは被告の明らかに争わないところであるから被告においてこれを自白したものと看做す。そこでこのような場合原告両名は被告に対しどのような権利を有するかについて考察する。監護養育ということはその必要が時々刻々間断なく発生し、且つ時々刻々間断なく履行せられていくものであるから現在において過去の或る時期における監護養育をなすということは事実上不可能である。従つて過去の或る時期における監護養育のための経費を現在において請求するということは意味をなさない。しかしながら、親権者の一人が実際の監護養育をなさず又そのための経費をも支払わないため他の親権者が子の監護養育をなしその経費支出のため子が債務を負担するに至つたときは子は監護養育をしなかつた親権者に対し監護養育をしていれば負担したであろう出捐を子の債務負担によつて免れたものとして不当利得の返還を求めることができるものと思料される。ただ右の債務負担が子の債務負担ではなく実際に監護養育をした他の親権者の債務負担である場合には子は右の不当利得返還請求権を取得することはない。蓋しその場合子には何等の損失もないからである。この場合には債務負担をした親権者が自己の負担すべき分を越える部分につき不当利得返還請求権を取得するものと思料される。ところで本件において原告両名は被告からの生活費の支給なきため自ら金員を借受けた旨主張するのでこの点について考察する。

証人青木キクミ、同高橋キヨミの各証言及び原告両名法定代理人長谷川キヨシ本人尋問の結果を綜合すれば、長谷川キヨシは昭和二九年一月一三日被告と別居し原告両名を伴つて実母長谷川キセ方に身を寄せてから昭和三二年三月一一日被告と離婚するまでの間、被告から原告両名の養育費の仕送りがないため妹である青木キクミ、高橋キヨミから原告両名を育てていくのにかかるからと言つて数回に合計十数万円の金員を借受けた事実を認めることができるのであるが、右の金員借受は長谷川キヨシが原告両名の母として、その法定代理人としてなしたものか、長谷川キヨシ自身の行為としてなしたものかについて考えてみるのに、実際には長谷川キヨシも、又青木キクミ、高橋キヨミも借主が原告両名であるのか、将又長谷川キヨシ自身であるのかを特に明かにすることなく青木、高橋から長谷川キヨシに金員が交付され、ただその金員が原告両名の養育のために使用されることだけが当事者間に諒解されていたにとどまるものと推測されるのである。とすれば長谷川キヨシが金員を借り受けそれによつて原告両名を長谷川キヨシ自身の出費によつて養育したもので本件の借主は長谷川キヨシ自身であると見ることもできるが、又長谷川キヨシは原告両名の法定代理人として借受け、原告両名の出費において現実の養育を長谷川キヨシが行つたもので借主は原告両名であると見ることもできないわけではない。ところで本件において原告両名は後の事実を主張し自ら原告となつて本訴を提起している。そこで、右の主張を否定して本件は長谷川キヨシが原告両名を養育するため自ら借主となつて本件の金員を借受けたものであると認めそれによつてひいて原告両名には何等の債務分担、即ち損害なきものとし、この点において原告両名の請求を排斥することは、反対に長谷川キヨシが借主であることを主張し自ら原告となつて訴求する場合に、借主は原告両名であつて長谷川キヨシはその法定代理人に過ぎないと認定してその請求を排斥するのと同様、多分に理論倒れとのそしりを免れないのではなかろうか。結局本件においては長谷川キヨシが原告両名の法定代理人として青木キクミ、高橋キヨミから金員を借受けたものと認め、この点に関する限り原告両名の主張する事実を肯認するのが相当である。そこでつぎに、原告両名が右金員借入により実母の長谷川キヨシの監護養育を受けて来たとして、それに要した金員がいくばくであるかを確定すべきであるところ、右の確定がなされたとして支出された経費のすべてにつき被告が共同親権者の一人としての義務を負うのではなくその内で被告が支出するのが相当であるもののみについてその義務を負うものというべきである。蓋し、父母が婚姻中同居し子の監護養育についても互に相談し合つている場合にはその監護養育費は父母の十分なる諒解のもとに支出されているものと認められるのでそのすべてについて父母は費用分担をすべきであるけれども、本件の如く父母の婚姻が破綻に瀕し離婚の訴訟が提起され別居しているような場合においては現実に子と同居して監護養育している者のみの意思によつてもろもろの経費が支出されるものと考えられその中には必ずしも必要でないもの或いは父母が相談すれば支出しないものの支出がなされることも考えられる(殊にどうせあとで養育費の請求ができるのだからとの考えで時には相当ならざる支出がなされることも考えられる)のであるからそのすべてについて当然親権者の一人としての義務を負わしめるのは相当でないと思料されるからである。そうはいつても原告両名がどれだけの養育費を要したかを全然考える必要がないということでは勿論ない。ただ過去に要した生活費を厳密に確定してみてもそれがすべて相当のものとして肯認せられるとは限らないというに過ぎない。さて、この生活費について原告両名の主張する別表について考察する。証人長谷川キセの証言及び原告両名法定代理人長谷川キヨシ本人尋問の結果によれば、原告両名が母長谷川キヨシに伴われて母の実家長谷川キセ方に身を寄せていたのは昭和二九年一月一三日から昭和三一年六、七月頃までであるがその間原告両名と長谷川キヨシの食費として一ケ月金六、〇〇〇円を長谷川キセに支払い右三名の食事は原告両名の学校給食を除き一切長谷川キセ方において与えられていた事実を認めることができる。そこで原告両名と長谷川キヨシの三名の一ケ月の食費は右の金六、〇〇〇円と原告両名の学校給食費の合計であり学校給食費は別表によれば原告一人当り一ケ月金二五〇円とありその金額は右本人尋問の結果によつて略肯認し得るところであるから右の合計は金六、五〇〇円である。その内原告両名の分がどれ程であるかは正確に算定し得べくもないが仮に三等分することが妥当であるとして原告一人当り一ケ月の食費は金二、一六六円(円以下切捨)である。別表において原告等は主食、副食、水道、ガス薪炭、学校給食の各費用の合計で一人一ケ月金二、七四八円を要していることを主張しているけれども実際には一ケ月金二、一六六円である。又右各証拠によれば、原告両名は母長谷川キヨシとともに昭和三一年六、七月以降他に一室を一ケ月間代金二、五〇〇円乃至二、七〇〇円で間借し、長谷川キセ方とは食事も別にしている事実を認め得るので右以後においては原告両名の食費は又別に考慮しなければならないわけであるが右証拠によれば、長谷川キヨシは右間借後も米、味噌等は実家の長谷川キセ方から貰つており時には副食も貰つている事実を認め得るので右間借後における食費についても間借前と大差なきものと思料し得る。ただ一ケ月金二、五〇〇円乃至二、七〇〇円の間代は従来にはない支出であるが、これを原告両名と長谷川キヨシに三等分することの当否は頗る疑わしい。蓋し長谷川キヨシ一人であつても略同様の間代を支出するのではないかと考えられるのみならず母が未成熟の子を連れているとき母子平等に間代を支出するとは通常考えられないからである。つぎに別表によれば原告両名は算盤と習字の学習のためその通学バス代とも一人一ケ月金六一〇円を、又子供新聞購読のため一人当り一ケ月金四〇円を支出しているというのであるがその経費はさきに説明したところにより、なお又被告の収入(後述する)に照し被告の負担すべき相当養育費とは認め難い。又別表によれば原告両名の一人当り一ケ月のおやつ代金三〇〇円、衣服費金五九〇円を要しているという点についてはこれを的確に認め得べき証拠はないのであるが全く右の経費を要していないとは考えられないから或る程度の支出は認め得るとしても別表による金額は被告や長谷川キヨシの収入(後述する)を基礎として考えられるその生活程度に照しやや高額であるように思料される。以上説明する如く原告等の主張する別表記載の養育費はその一部についてこれを肯認し得るにとどまる。而して又、本件においては被告は長谷川キヨシに対し金三〇〇、〇〇〇円を支払つて協議上の離婚をなしたのであるが、それは長谷川キヨシと被告の間の離婚の訴訟において判決(第一審の判決)せられたところを任意に履行することの合意によつてなされたものであるところ、その第一審判決によれば(甲第二号証)、被告は長谷川キヨシに対し離婚に伴う慰藉料として金五〇、〇〇〇円を、財産分与として金二五〇、〇〇〇円を支払うべきことが命ぜられている。而して右財産分与に当つては長谷川キヨシが、離婚後原告両名の親権者として監護養育の任に当ることが考慮せられている。而して第一審の判決の宣告のあつたのは甲第二号証によれば昭和三一年三月一日である。そこで右の判決においては右判決宣告後長谷川キヨシが原告両名の親権者としてこれを監護養育することを考慮して金二五〇、〇〇〇円の財産分与を命じたのであるから第一審判決が控訴の提起なくして確定していればその後において被告が原告両名の監護養育者としての義務を負うことはなかつたわけであるが控訴の提起により判決は確定せず昭和三二年三月一一日に至つて訴を取下げ協議離婚をなし金三〇〇、〇〇〇円を被告から長谷川キヨシに支払うことによつて第一審判決が事実上履行されたわけでそのため被告は昭和三二年三月一一日まで原告両名の親権者としての義務を負う結果となつたわけである。しかし結局被告から長谷川キヨシに対し金三〇〇、〇〇〇円が内金二五〇、〇〇〇円については財産分与の意味をもつて支払われ、且つそれは第一審判決に服する趣旨であり、第一審判決においてはそれが控訴の提起なくして確定すればその時以後長谷川キヨシが原告両名の親権者となることを考慮して金二五〇、〇〇〇円の財産分与が命ぜられているのであるから、本件において被告が負担すべき原告両名の監護養育費の決定に当つては右の事実は当然考慮せられなければならない。(被告に対し長谷川キヨシえの財産分与を命じた判決において長谷川キヨシが被告との別居以来原告両名を監護養育していたことをも考慮して財産分与の額を決定しておればたとえ原告両名が本件における如く過去の生活維持のために債務を負担しておつてもそれは財産分与を受けた長谷川キヨシにおいて負担すべき場合もあり得ると思料されるが、前記判決においては右の事実を考慮して財産分与の額を決定しているとは必ずしも新じ難い。)かくて、以上説明し来つたところに基き本件において被告が原告両名の親権者として負担すべき前記別居期間中の監護養育費は、被告本人尋問の結果により認め得るところの被告本人の収入が昭和二九年初め頃一ケ月約一〇、〇〇〇円であつたこと、原告両名法定代理人長谷川キヨシ本人尋問の結果により認め得るところの、長谷川キヨシの被告との別居後の収入が一ケ月平均約金六、〇〇〇円であつたことを併せ考えて、原告各自につき一ケ月金一、〇〇〇円を以つて相当とする。従つて原告両名の本訴請求は原告各自につき昭和二九年二月一日(原告両名はこの日からの分を請求している)から被告が原告両名の親権者であつた昭和三二年三月一一日まで一ケ月金一、〇〇〇円の割合による金三七、三五四円の支払を求める範囲内においてその理由があるのでこれを認容しその余は失当であるからこれを棄却し、訴訟費用はこれを三分しその一は被告の、その二は原告両名の負担とし民事訴訟法第八九条第九二条第九三条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 中田早苗)

別表

昭和二九年二月一日から昭和三一年五月三一日までの一ケ月当りの生活費

一 主食費 一食、一合五勺、一日二食、計三合、一ケ月九升、学校給食のない日、十二日、一升八合、計一斗八合、一升一一〇円、計一、一八八円

二 副食費(調味料共) 朝一〇円、夕二〇円、給食のない日、十二日、昼一五円、計一、〇八〇円

三 住居費(修理共) ――

四 地代、家賃 ――

五 水道費 一家合計二二五円(九人分、九分の一)二五円

六 光熱費 三六〇円の九分の一、四〇円

七 ガス、薪炭費 ガス、一、二〇〇円一人当り一三三円・練炭、六五〇円一人当り七二円 計二〇五円

八 教育費、学用品 給食費二五〇円、学習費一〇〇円、P・T・A三〇円、算盤月謝一五〇円、習字二六〇円、学用品一八〇円、旅行積立八〇円、計一、〇五〇円

九 保健、衛生費(入浴、売薬 散髪、医料) 入浴(二日オキ)一二〇円、散髪六〇円、計一八〇円

一〇 文化費(ラジオ、新聞、雑誌代) 子供新聞八〇円、一人当り四〇円

一一 交通通信費 算盤と習字通学バス代、二〇〇円

一二 嗜好品費 おやつ一日一〇円、計三〇〇円

一三 衣服費 学生服、年三着三、五〇〇円、月当り二九〇円、雑品(タオル、石ケン、パンツ、シヤツ、靴下、手袋、足袋、ハンカチ等)一切、月当り三〇〇円、計五九〇円 昭和三一年六月一日から昭和三二年三月三一日までの一ケ月当りの生活費

一 主食費 一食、一合五勺、一日二食、計三合、一ケ月九升、学校給食のない日、十二日、一升八合、計一斗八合、一升一一〇円、計一、一八八円

二 副食費(調味料共) 朝一〇円夕二〇円、給食のない日、十二日、昼一五円、計一、〇八〇円

三 住居費(修理共) ――

四 地代、家賃 八畳一室、二、五〇〇円、三人家族に付一人八三三円

五 水道費 七五円に付一人当り二五円

六 光熱費 二一〇円、一人当り七〇円

七 ガス、薪炭費 練炭、三三〇円一人当り一一〇円、石油、五五〇円一人当り一八三円

八 教育費、学用品 給食費二五〇円、学習費一〇〇円、P・T・A三〇円、算盤月謝一五〇円、習字二六〇円、学用品一八〇円、旅行積立八〇円、計一、〇五〇円

九 保健、衛生費(入浴、売薬 散髪、医料) 入浴(二日オキ)一二〇円、散髪六〇円、計一八〇円

一〇 文化費(ラジオ、新聞、雑誌代) 子供新聞八〇円、一人当り四〇円

一一 交通通信費 算盤と習字通学バス代、二〇〇円

一二 嗜好品費 おやつ一日一〇円、計三〇〇円

一三 衣服費 学生服年三着三、五〇〇円、月当り二九〇円、雑品(タオル、石ケン、パンツ、シヤツ、靴下、手袋足袋、ハンカチ等)一切、月当り三〇〇円、計五九〇円

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